病院でカード払いはできる?普及状況やメリットを徹底解説

病院でのカード払いの普及状況

日本は、諸外国に比べると、取引総額におけるキャッシュレス決済の比率が低いと言われています。外国のキャッシュレス決済状況は、韓国が94.7%、中国が77.3%なのに対し、日本は24.2%に過ぎません(いずれも数値は2018年のもの)。

出典:⼀般社団法⼈キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ 2021

先進国で日本より低いのはドイツ(17.9%)など、ごく一部の国だけです。このため、病院でのカード払いの普及状況も低いのではと考える人がいるかもしれませんが、そうとは限らないという話をしましょう。

全体としては5割程度

病院(病床数20床以上の医療機関)でのカード(クレジットカード・デビットカード)を利用した決済の導入状況について紹介しましょう。

厚生労働省がまとめた「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書」によれば、調査に参加した病院のうち、クレジットカード・デビットカードを利用した決済を導入しているのは、全体の49.0%でした。

出典:厚生労働省「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書」

救急医療病院では7割近くに達する

一方、救急医療病院でのクレジットカード・デビットカード決済の導入状況は67.0%でした。

救急医療病院では、レントゲンやCT、血液検査やMRIなど緊急で検査を行うことが多く、また、夜間や土日休日の対応も行うため、どうしても請求される医療費が高くなりがちです。

医療費の回収もれを防ぐとともに、患者の利便性を図るという意味でも、クレジットカード・デビットカード決済の導入に関するニーズはあるでしょう。

外国人患者受入医療機関では9割超

さらに、外国人患者の受け入れを行っている医療機関ともなると、95.7%もの医療機関がクレジットカード・デビットカード決済を導入していました。外国人患者の場合、医療費が未払いのまま帰国してしまった場合は、追って回収することが極めて難しくなります。

最終的には医療機関自身が未払いの医療費を負担せざるを得ません。

クレジットカード・デビットカード決済を導入していれば、未払いの医療費の回収もれを減らすことができるので、医療機関にとっては大きなメリットになります。

導入しているブランドはVisa、Mastercardが最多

なお、導入されているクレジットカード・デビットカードの国際ブランドについても調査されていました。以下のグラフからわかる通り、VisaとMastercardが最多クラスで、次点がJCBといったところでしょう。

出典:厚生労働省「医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書」

ひとまず、病院でクレジットカード・デビットカード払いがしたい場合は、VisaかMastercardが付帯しているものを持って行けば、困ることはなさそうです。

病院でカード払いをするメリット

ここから先は、病院でカード払いをする具体的なメリットについて解説しましょう。

多額の支払いが生じてもすぐに対応できる

病院での医療費の支払いならではの独特な事情として「最終的に診察が終わってみないと、いくら払うことになるのかわからない」ことが挙げられます。

医師は患者の状況を見て、必要な治療や検査を行いますが、状況に応じて検査が追加されることが往々にしてあるためです。

なお、病院での支払額は行った医療行為に対して定められた点数を合計したものに10円をかけ、そこから公的保険の本人負担割合に応じた金額を支払うという仕組みで決まります。

点数の加算対象となる項目をまとめました。

項目名内容
診察料医師による診察で発生した費用。初診か再診か、診察をうけた時間帯によっても点数は異なる。検査だけ受けるなど、医師の診察がない場合は発生しない。
医学管理等食事や運動、生活習慣についての管理や指導など、医学的な管理指導を行ったときに発生した費用。
投薬薬を処方したときに発生した費用。院内処方を行う場合は、調剤代や薬代も加算した金額になる。
検査・画像診断X線画像を撮って、診断を行った場合に発生した費用。
手術・麻酔手術の際の技術料のほか、各種薬剤、輸血、麻酔の技術料など。
その他診断書などの書面を発行する際の「文書料」、保険適用外の処置を受けたときの「自費項目」がある。

結局のところ、医師がどんな医療行為を行うかは、その時になってみないとわかりません。「2,000円くらいで済むでしょ」と思って向かったものの、血液検査をしたら最終的な支払額が1万円を超えたということは、往々にしてあり得ます。

もちろん、持ち合わせがない場合はATMでお金を引き出したり、後日まとめて精算したりという形で対応してくれることもありますが、手間が掛かるのは確かです。

万が一、持ち合わせがなくてもその場で支払っていけるのが、病院でカード払いをする大きなメリットの1つでしょう。

衛生上も優れている

2020年の初頭から、日本を含めた世界全域で新型コロナウイルス感染症が大きな問題となりはじめました。新型コロナウイルス感染症の発生源と言われている中国でも、徹底した対策を行うことで、感染拡大を食い止めようとしていたのです。

その1つとして注目されたのが「新札の投入と流通している現金の消毒」です。

  • できるだけ新札を使う
  • 病院や農産物市場から回収した現金は再び流通させない
  • 銀行の金庫やATMに入れる現金は消毒する

など「現金が、感染拡大の一つの原因になる」という前提で、様々な施策を行いました。

参照:朝日新聞デジタル「中国人民銀、お金消毒を要請 感染防止へ新札大量投入も」

このようなことが行われるほど「現金はいろいろな人が触るから汚い」という認識が広まったのです。日本でも、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて公表された「新しい生活様式」で、クレジットカード・デビットカードをはじめとしたキャッシュレス決済の利用が推奨されました。

このような背景を考えると、病院でのカード払いは、衛生上の観点からも非常に優れています。現金を触らなくて良い以上、自分が細菌・ウイルスに触ることもないし、他の人に広めてしまうこともないためです。

防犯上も優れている

実は、病院は案外盗難が多い場所でもあります。医療関係者はもちろん、製薬会社、医療器材会社、清掃会社の社員や患者の家族、友人・知人、その他不特定多数の人が24時間365日出入りしている以上、不審者が紛れ込む可能性だってあるのです。

もちろん、病院も防犯対策の一環として警備員や防犯カメラを配備したりしています。しかし、それでも盗難が起きているというデータを紹介しましょう。

2016年のデータですが、日本国内で起きた窃盗事件の件数は723,148件でした。このうち、病院荒しは719件です。

出典:犯罪統計第2表 窃盗 手口別 認知・検挙件数・検挙人員 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口

割合にすると0.1%程度ですが、病院での盗難事件は起きていることになります。自分が遭遇する確率はかなり低いものの、自衛をするに越したことはありません。

多額の現金を持ち歩く代わりに、クレジットカード・デビットカードを支払いに使ったほうが、防犯上優れているのは明白です。

現金も含め、病院に行く際の荷物は極力減らしましょう。

診察内容を記録するためにメモと筆記用具を持って行く人もいるかもしれませんが、これをスマホのアプリに切り替えて音声録音するとさらに荷物が減らせます。

「診察ノオト」をあらかじめインストールし、身軽に出かけましょう。

現金決済より時間がかからない

病院に限らず、カード払いのメリットとして現金決済より時間がかからないことが挙げられます。

大手クレジットカード会社のジェーシービーが行った実験では、決済完了までの時間が現金決済は28秒だったのに対し、クレジットカードでは12秒でした。

出典:株式会社ジェーシービー「<決済速度に関する実証実験結果>レジでの会計時、キャッシュレス決済(1)は現金より16秒速いことが判明 非接触型(2)は現金より20秒速く、約1/3の時間で支払いが可能」

一見大したことがない差に思えるかもしれませんが、クレジットカードやデビットカードを使える人は使った方が、会計窓口の混雑の緩和にも役立つでしょう。

医療費後払いシステムを使える病院もある

昨今では、医療費後払いシステムと言って、事前に所定の手続きを済ませると、診察後は専用窓口に立ちよるだけで帰れるシステムを導入する病院も増えています。公費医療制度を使っているなど、利用できないケースもありますが、利用できるようなら試してみましょう。

大幅な時間の節約につながるはずです。

ポイントも貯まる

クレジットカードやデビットカードで支払うこと特有のメリットとして、ポイントが貯まったり、キャッシュバックが受けられたりすることが挙げられます。

ポイント還元率が高いクレジットカードやデビットカードを選べば、病院への支払いを含めた日々の生活の中でポイントが貯められて、節約に役立つはずです。

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