服装次第で診察・検査の時の快適度は変わる
病院に行くとき、何を着て行ったら良いのかな悩むかもしれません。あくまで、病気やケガの治療のために行く場所なので、スムーズに診察・検査を受けることを最優先にしましょう。
具体的に気を付けるべきポイントについて解説します。
ポイント1.硬い材質の服は着ない
病院では、症状が出ている場所を医師が見たり、触ったりして診察を進めていきます。そのため、服をすぐにまくり上げられることが重要です。硬い材質でできている服は、できれば避けるのが無難でしょう。
すぐに手首・足首・胸・お腹・首を出せるかどうかが1つの判断基準となります。
男性なら
- Tシャツの上に前開きのシャツを羽織る
- ズボンはスキニージーンズ以外のゆったりしたものにする
などの工夫をしましょう。また、女性であれば
- カーディガン、カットソーなど重ね着ができ、すぐに脱げるものにする
- ボトムはロングスカートなどゆったりしたものにする
などの工夫ができます。
注射をするとわかっているならノースリーブも便利
また、あらかじめ注射をするとわかっているなら、ノースリーブの服を着ていくと便利です。筋肉注射をうつ場合、上腕部(いわゆる二の腕)に打つことも多々あるため、すぐにこの部分を出せることが重要になります。
ノースリーブの服であれば、二の腕が出ている状態であるため、すぐに準備にとりかかかれるのです。
ポイント2.上下つながった服は着ない
病院に行く際は、ワンピースやボディスーツなど、上下がつながった服装は避けた方が無難です。胸元やお腹の検査を行う際、たくしあげるか、全部脱ぐかしかなくなります。
極端な話、たくしあげたり、全部脱いだりしたところで、医師や看護師から後ろ指を指されることはありません。ただ、淡々と診察・治療を進めていくだけです。
それでも、診察・治療を受けている本人が微妙な気持ちになるかもしれないので、嫌なら避けた方が良いでしょう。
ワンピ派の人はシャツワンピースを選ぼう
実際のところ、病院に行った後予定があるとしたら、それに合わせて服装を選ぶ必要だってあるかもしれません。ちょっとおしゃれなところに行きたいからワンピースを着たい、という場合だってあるでしょう。
そういうときにおすすめなのが、シャツワンピースです。シャツワンピースであれば、前のボタンを開けることで、たくしあげたり、全部脱いだりもせずに診察・検査が進められます。
様々なデザインのものが出回っているので、自分の好みに合わせて選んでみると良いでしょう。
ポイント3.アクセサリーはNG
病院に行くときは、アクセサリーを外していきましょう。病院で行う検査の中には、MRIなど体に金属がついていると受けられないものもあるくらいです。
医師が診察・検査を行う際のじゃまにもなるので、できれば外していくのをおすすめします。
病院までつけていって、医師からの求めがあったら外すという方法も考えられますが、紛失するリスクもあることに注意しましょう。
結婚指輪も外していった方が無難かも
多くの人がつけているアクセサリーの1つに、結婚指輪があります。これについても、できれは外していった方が無難でしょう。紛失・盗難の恐れがあるのはもちろん、衛生面でもその方が優れているためです。
結婚指輪をしたままだと、手洗いがおろそかになってしまいがちなので、感染症を防ぐためにも、外しておくと良いでしょう。
なお、事故防止・感染症防止のため、医療関係者に対して結婚指輪を含めた一切のアクセサリーの着用を禁止している病院は少なくありません。
ポイント4.シミになる、汚れが目立つ色は避けるべし
病院で行う検査・治療の中には、エコー検査の時に使うゼリーなど、患者の体に直接何かを塗って行うものが少なくありません。看護師や看護助手、医師などの医療従事者も、服につかないよう細心の注意を払って進めていますが、絶対につかない保証はできないでしょう。
「お気に入りの服を汚された」とがっかりしたくないなら、シミになりやすい素材・色の服は避けましょう。白など薄い色の服や、シルク・革製品は身につけない方が無難かもしれません。
ポイント5.ゆったりして脱ぎやすければそれで良し
ここまでの話をまとめると、病院に行く時の服装で気を付けたいポイントは以下のようになります。
- 脱ぎ着がしにくかったり、まくり上げたりがしにくい服装は避ける
- アクセサリーは一切つけない
- シミになる、汚れが目立つ色は避けたほうが無難
- ワンピースなど上下一体型の服は注意が必要
つまり、上下が分かれていて脱ぎやすく、汚れが目立たない色の服装をしていくのが、病院に行くにあたっては最適ということになるでしょう。
その他の注意点
病院に行く際は、服装以外にも注意を払うべき点があります。自分で気をつけられる部分についてまとめました。
ノーメイクで行くのが無難
病院で診察・検査を受ける際は、ノーメイクで行きましょう。医師が診察を行う際、患者の顔色も大事な情報としてチェックしています。しかし、メイクをしていては、本当の顔色がどうなっているのか、なかなか見抜けません。
ちょっとした化粧をしていただけでも、判断を誤ることもあります。
「病院の後、予定が入っているんだけど」という場合は、面倒くさいかもしれませんが、化粧道具を持って行き、どこかでメイクをしてから出かけるようにしましょう。
香水は絶対ダメ
また、病院に香水をつけていくのはやめましょう。病院には、様々な体調の患者が訪れます。
その中には
- 抗がん剤治療の副作用など、病気が理由で吐き気がある
- 化学物質過敏症を患っていて、ちょっとした香りでもアレルギーが出る
人もいます。お互いが快適に過ごすためにも、香水はつけていかないほうが無難です。
また、案外盲点になりがちなのが、衣類の柔軟剤の香りです。これも、種類によってはかなり香りが強いため、具合が悪くなる人が一定数います。
普段、洗濯の時に柔軟剤を入れている場合は、病院に行く前にあらためて柔軟剤抜きで洗うなどして、香りを薄めるようにしておきましょう。
ネイルはオフしておく
特に女性であれば、爪のおしゃれとして、ネイルアートをしていることもあるかもしれません。しかし、これも病院での診察・治療においては邪魔になります。顔色と同じように、医師は爪の色も見て状態を判断することがあるためです。
また、呼吸の状態を確認するためにパルスオキシメーターを使うことがありますが、ネイルアートをしている爪だと、正確に検査ができない場合もあります。
病院での診察・治療の予定がある場合は、あらかじめオフしていきましょう。予定がわかっているなら、サロンを予約して落としてもらうのをおすすめします。
このような状況を考えると、病気・ケガで診察・治療を受けている間は、ネイルアートはお休みするか、自分でマニキュアを塗るか程度にとどめておいた方がよいかもしれません。
まつエクは入院前に外そう
外来で診察・治療を受ける場合はあまり関係ありませんが、入院する際はまつエク(まつ毛のつけ毛)を外していきましょう。特に、麻酔をかける手術を行う際は注意が必要です。
手術中、麻酔科医が患者に異常が生じていないか確かめるために、睫毛反射の確認を行います。つまり、まつ毛に触れた際に、まぶたを閉じてまばたきをするか見るのですが、まつエクをつけていると正確に判断ができないことがあるためです。
まつエクのこと以外にも、入院する前には生活上の注意などを含め、詳しい説明があります。自分だけでなく、家族にも情報を共有するためには、説明を録音して、後で聞き返すと良いでしょう。簡単な相談で医師やスタッフの話が録音できる「診察ノオト」が役に立ちます。
脱ぎにくい靴はNG
病院での診察・治療を受ける際は、ロングブーツなどの脱ぎにくい靴は避けた方が無難です。ベッドに寝たりして診察を受けることもあるため、靴を脱ぐのに手間取っていては、時間がどんどん過ぎてしまいます。
また、注意した方が良いのが、ヒールの高い靴です。ヒールが高いと、床に音が響いてしまいがちになり、他の患者からうるさいと思われることもあります。
できれば、スニーカーかヒールが高くない(3センチ程度)靴にしておきましょう。
タトゥーを入れている場合は伝える
ごく少数派かもしれませんが、タトゥーを入れている人も、病院での診察・治療にあたっては注意が必要です。特に気をつけなくてはいけないのが、MRI検査の時でしょう。タトゥーを掘るときに使うインクには、金属成分が含まれていることがあります。
MRIは強力な磁力を発しているため、金属が通ると熱を帯びることから、タトゥーの部分にやけどを負うことがあるのです。
もちろん、医師は必要な配慮をおこなった上で検査を進めてくれるので、まずは相談してみましょう。