子どもが体調を崩した!病院にかかる前に症状メモを作ろう

子どもは自分の状態を上手に説明できない

子どもが病気になって心配にならない親は、ほとんどいないでしょう。しかし、心配ばかりしていても何も事態は改善しません。

できる限り早めに 医師 の診察を受け

  • 今、何が起きているのか
  • どんな治療を行えば良くなるのか

についてアドバイスを受ける必要があります。

しかし、注意したいのは「大人が病院にかかるときとでは、わけが違う」ということです。

子ども(目安としては小学生以下)は、たとえ体調を崩していたとしても、自分の状態を的確に医師には伝えられません。

「お腹が痛い」「くらくらする」程度であればまだ伝えられるかもしれませんが

  • 普段の生活と何か異なる部分はあるか
  • 今出ている症状に関係する出来事はあったか
  • 体調が悪い状態が何日間続いているか
  • これまでどんな病気にかかり、どんな治療・投薬を受けてきたか

など、医師が診察を行う際に必要になる情報を理路整然と伝えることはまず不可能に近いでしょう。

結局のところ、子どもは自分の状態を的確に伝えることができない以上、親が上手にサポートしなくてはいけません。そのために、事前にメモを作り、情報を整理することがとても役立ちます。

なぜ子どもは病気になりやすいのか

そもそも、なぜ子どもは病気になりやすいのか、理由も知っておきましょう。理由として挙げられるのが、人の免疫システムです。

人の免疫を「いつ、獲得するのか」という視点で分けると、次の2つに分かれます。

  • 自然免疫:生まれながらにして持っている免疫システム
  • 獲得免疫:後天的に獲得する免疫システム

自然免疫と獲得免疫の役割は全く異なります。以下の流れで働いていると考えましょう。

  1. 体内に病原体が侵入すると、まず自然免疫が病原体を攻撃し、病原体の情報を獲得免疫に伝える
  2. 獲得免疫が抗体を作り、自然免疫の攻撃をくぐり抜けた病原体を排除する
  3. 1度抗体が作られるとその情報が記憶されるため、再度同じ病原体が侵入したときには1回目よりも素早く病原体が排除される

つまり、病原体に感染した回数が多ければ多いほど、作られた抗体の数も多くなる上に、病原体の排除までにかかる時間も少なくなります。

子どもは大人に比べると、生きている時間が少ない以上、病原体に感染した回数も少ないです。このため、大人と比べると、抗体の数が少ないことから、病原体の排除までにかかる時間も長くなります。

実際は、小学生の頃には主要な病原体には感染しきっているため、抵抗力も大人に近づいてくるでしょう。そうなると、風邪をひく頻度もかなり少なくなるはずです。

病院にかかる前に済ませたい症状メモの作り方

それでは、症状メモはどうやって作れば良いのでしょうか。基本的なポイントを解説します。

時系列を追って書くのが基本

書き方の基本的な考え方として「時系列を追って書くこと」が挙げられます。具体例は以下の通りです。

4歳4カ月 男

12/8 咳、鼻水が出る
12/9 夜中:39.0度 救急受診
風邪と言われた(薬:幼児用PL配合顆粒)
12/10 朝:37.5度 夜:38.5度
咳込みは続いている
12/11 朝:38.5度 食欲がなく、何も食べない

質問:何らかのウイルスに感染していないか調べて欲しい

盛り込むべき情報

症状の経過を時系列を追って書くことが基本となりますが、医師が診察を行う際に重要な参考にしている情報を盛り込みましょう。

具体例として

  • 体温(朝・夜2回が基本。大きな変化があった場合はその都度測る。)
  • 救急受診など、他の医師の診察を受けたならその旨
  • 「咳が続いている」など具体的な症状
  • 医師に対する要望

が挙げられます。

また、医師からは「これまでにどんな病気をし、どんな治療を受けてきたか」について質問されるはずです。

子どもが病気になると親まで慌ててしまいがちなので、対応がしどろもどろになってしまうかもしれないので、普段から情報を整理しておきましょう。

子どもが診察を受けている様子を録音できるアプリ「診察ノオト」を使えば、医師の話に基づく正確な情報を手に入れることができます。

子どもが病院にかかる前に済ませておくと良いこと

子どもは病気になりやすいからこそ「いつ、病院にいく羽目になるかわからない」という前提で、普段から準備をしておくのが大事です。

また、実際に体調を崩した時に、迅速に病院に向かい、医師に必要な情報を伝えられるよう、情報を整理しておくコツも知っておくと良いでしょう。

ここでは、子どもが病院にかかる前に済ませておくと良いことについて解説します。

普段から基本情報はまとめておくと◎

病院にかかる際に聞かれるであろう情報については、普段からまとめておきましょう。

具体的には、以下の情報についてまとめたメモがあると便利です。

項目内容
子どもに関する基本情報名前
年齢
身長・体重
授乳状況(乳児の場合)
病気の有無
使用中の薬(塗り薬を含む)
家族の病気に関する情報家族(両親、祖父母、兄弟姉妹)に重い病気にかかったことがある人がいるか
生活の環境家族がタバコを吸っているか
ペットを飼っているか
アレルギーに関する情報アレルギーの有無
アレルゲン(アレルギーの原因物質、例:ハウスダスト)
アレルギー疾患の有無(ある場合は具体的な病気名)
副作用が出たことがある薬

なお、重い病気として想定されるのは、以下の疾患です。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 肝臓病
  • 心臓病
  • 腎臓病
  • 胃腸病
  • 結核・胸膜炎   
  • リウマチ
  • 貧血
  • 脳出血・脳梗塞 
  • その他

これらについて、予め情報をまとめておけば、いざ医師の診察を受けるときにも、的確なやり取りができるでしょう。

必要なものをあらかじめまとめておく

病院にかかる際に必要なものを、普段から1つのポーチにまとめておくのも有効な手段です。

  • 診察券
  • 保険証
  • 医療証
  • 母子手帳
  • お薬手帳

などは1つのポーチに入れておき、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。

救急車を呼ぶタイミングを押さえておく


子どもが体調を崩すと冷静でいられないのはわかりますが、緊急性が低い状態で救急車を呼ぶのは好ましくありません。

特に、都市部では救急車の出動要請が多いため、不必要な出動要請が原因で、本当に緊急性が高い患者が迅速に処置を受けることができず、命を落とす事態も頻発しています。

まずは電話やアプリで相談し、緊急性が低い状態であれば、様子を見て医師の診察を受ける方向で進めましょう。

もちろん、緊急性が高い状態であれば、躊躇せずに救急車を呼びましょう。

具体的には、以下のいずれかに当てはまる症状が出ていたら、すぐに119番するのをおすすめします。

様子を動画に撮って見せるという手段もある

「高熱を出した子どもがけいれんを起こした」など、独特の動作をすることが病気の一症状として現れるケースもあります。

その様子を医師に見せれば、より短時間で正確な診断を下してもらう手助けになるはずです。

しかし、必ずしも医師の前で独特の動作をするとは限りません。

そこで、医師に的確な情報を伝える1つの手段として、子どもの様子を動画に撮り、それを医師に見せましょう。

「病気で苦しんでいる子どもの動画を撮るなんて」と抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、あくまで医師への情報提供として、冷静に対応しましょう。

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