慌てないようにひとまとめにしておこう
自分や家族が体調を崩し、病院に行く際には準備が必要です。しかし、普段から定期的にかかっているならまだしも、突然かかることになった場合は気が動転してしまい、何が必要なのかわからないまま準備して、後で「あれ?これも必要だったよね?」とさらに慌てる羽目になりかねません。
このような事態を避けるには、普段から必要なものをひとまとめにする習慣をつけておくと良いでしょう。
そこで今回は、病院にかかる時に必要なアイテムを紹介します。
病院にかかる時に用意すべき最低限のアイテム5つ
病院にかかる際に最低限用意していくべきアイテムとして、以下の5つを紹介します。
1.診察券
病院やクリニックなどの医療機関では、診察券を発行しています。既に一度かかったことがある病院に行く際は、かならず持って行きましょう。もちろん、初診の際は必要ありません。
なお、失くしてしまった場合は再発行してもらえますが、手数料(数百円程度)がかかるケースもあるので、注意してください。
また、診察券を整理するには、100円ショップなどで売っている診察券ケースが役に立ちます。健康保険証や病院でもらった領収書、明細書などもひとまとめにできるので、集中して管理したい人は使ってみましょう。
2.健康保険証
日本では国民皆保険といって、一部の例外を除いて全員が公的医療保険に入る決まりになっています。この制度があるため、ケガや病気で病院にかかったとしても、実際にかかった費用の一部を負担すれば良いのです。
そして、この制度のもとで治療を受けるためには、健康保険証の提示が必須となります。病院やクリニックなど、医療機関にかかる際は必ず持って行きましょう。
なお、仕事中にケガをしたり、交通事故にあったりした場合は、公的健康保険による治療はできない(別の法律の枠組みで対処することになる)ので、健康保険証は必須ではありません。
また、転職したばかりで手元に健康保険証が届いていない場合は、日本年金機構が発行する「健康保険被保険者資格証明書」を利用しましょう。
公的健康保険に加入していることの証明になるので、保険証がないからといって、一時的に費用の全額を立て替える必要はありません。これは、日本年金機構に対して申請すれば受け取れます。
詳しい話は以下の記事で解説しているので、参考に読んでみてください。
公的制度を利用している場合は証明書も持って行こう
また
- 地方自治体が実施している医療費の助成制度(中学生以下の子どもむけの医療費助成制度など)
- 自立支援医療
- 指定難病患者への医療費助成制度
- 小児慢性特定疾病医療費助成制度
- 高額療養費の限度額適用認定証
など、何らかの公的な医療費の助成制度を利用している場合は、資格証明書(受給者証などということもある)も持って行きましょう。
病院などの医療機関では、資格証明書をもとに公的な医療費の助成制度を利用しているかを確認し、支払額を算定するためです。
手続きをしている途中で手元に届いていないなど、何らかの事情がある場合は、受付で相談し、対応を仰いでください。
3.現金、クレジットカード
病院にかかる際は、現金やクレジットカードなど、医療費の支払いに使えるものを持って行きましょう。
多額の現金はなるべく持って行かないほうが良い
ある程度は現金を持って行かないと、医療費が支払えないのは当然です。しかし、多額の現金はなるべく持って行かないほうが良いでしょう。
理由は簡単で、その方が防犯上すぐれているためです。
病院には、医師・看護師などの医療従事者はもちろん、自分以外の患者やその家族、事務職員や清掃・警備担当者など様々な立場の人がひっきりなしに出入りしています。しかも、救急外来を設けている病院であれば、24時間365日入り口が開いている状態なのです。
もちろん、病院側も、不審者が立ち入ったり、病院内で窃盗やケンカなどのトラブルが起きたりしないよう、警備員の巡回や防犯カメラの設置など、最大限の対策をしています。
それでも、100%トラブルが防げるとは言えないので、自分でできる対策は欠かさないようにしましょう。
このような背景を鑑みると、多額の現金はなるべく持って行かないほうが賢明です。
なお、大きな病院であれば
- 院内にATMが設置されている
- クレジットカード払いや医療費後払いシステムに対応している
など、多額の現金を持ち歩かなくて済むよう、配慮をしているところも多くなっています。
大きな病院であればあるほど、高度な治療を行うため、医療費の自己負担分も大きくなるという事情が背景にあるのでしょう。
4.お薬手帳
お薬手帳も、病院などの医療機関で治療を受ける際には欠かせないアイテムの1つです。
お薬手帳には、使ったことがある薬の情報が収録されています。薬の中には、飲み合わせが悪いものがあるため、現在進行形で飲んでいる薬を確かめ、それらの薬との相性が悪いものを使わないようにしないといけません。
そのため、医師や薬剤師は、薬の情報を得る手段の1つとして、お薬手帳を使うのです。
何らかの事情でお薬手帳が用意できない場合は、今飲んでいる薬の現物を持って行くという最終手段も使えますが、紛失のリスクを考えるとなるべくならやらない方が良いでしょう。
なお、お薬手帳は紙ベースのものでも、アプリのものでもどちらでも問題ありません。自分にとって使いやすいものを選びましょう。
5.診療情報提供書、紹介状など
大きな病院に初診でかかろうとする場合は、紹介状や診療情報提供書を持って行きましょう。
大学病院やその地区の総合病院など、ある程度大きな病院(特定機能病院、地域医療支援病院など)では、初診の際に紹介状・診療情報提供書がないと、特別料金(選定療養費)が上乗せされてしまいます。具体的にいくらなのかは病院によってまちまちですが、中には1万円以上するケースもある(例:東京大学医学部付属病院の11,000円)ので、注意が必要です。
緊急を要する状態でなければ、一度街中のクリニックなどに事情を相談し、紹介状・診療情報提供書を書いてもらったほうが安上がりかもしれません。
また、病院によっては紹介状や診療情報提供書が用意できない場合は受け入れを拒否されることもあります。もちろん、たいていの医師は快く紹介状や診療情報提供書を書いてくれるので、心配しすぎることはありません。
仮に医師とのやり取りがうまくいかなくても、ソーシャルワーカーなどの第三者に相談すれば解決に向かうことは多々あります。万が一、紹介状や診療情報提供書が用意できなかった場合の対処法については、こちらの記事でまとめているので参考にしてください。
あるとなお良いアイテム3つ
ここから先は、必須ではありませんが、あるとなお良いグッズを紹介します。
1.メモ、筆記用具
長時間の治療を必要とする病気であればあるほど、医師が診察で言っていたことから得られる情報は貴重なものになります。
自分や家族の記憶だけに頼るのには限界があるため、適宜メモを取るようにしましょう。
音声録音も要検討
しかし、医師の説明がやや早口だったり、話が難しくて何度も聞き返さないと理解できなかったりすることは往々にしてあります。そこで考えて欲しいのが、医師の話を録音することです。
「診察ノオト」なら、使っているスマートフォンにインストールしておけば、あとは簡単な操作で医師の話が録音できます。
2.時間つぶしグッズ
大きな病院の場合、事前に予約した時間通りに診察が始まるとは限りません。急患が入ってきたりした場合は、そちらの対応を優先しなくてはいけなかったり、検査をしたあと結果が出るまで待つ羽目になったりなど、かなり時間がかかることが往々にしてあります。
そんな時のために、時間つぶしグッズを持って行きましょう。
- 本・雑誌
- スマートフォンのゲーム
- 資格試験の参考書
など、周囲に迷惑が掛からず、自分ひとりで楽しめるものなら構いません。
3.エコバッグ
薬を処方してもらった場合、種類や数が多いとそれだけで大荷物になります。そして、処方してもらった薬を入れる袋は、従来は無料でしたが、現在はレジ袋有料化の影響を受けて有料であることが多いです。
スムーズに持ち帰るためにも、エコバックが1枚あると便利でしょう。